ショコラティエ
製菓業界で働くショコラティエの仕事内容、必要なスキル、活かせる経験 、身に付くこと、平均給与、求人募集の未経験採用などについて紹介します。
ショコラティエの仕事内容
ショコラティエは洋菓子店に勤務しながら、チョコレートの製造に関わります。職人としての腕前を持つ一流のショコラティエは高級チョコレートの専門店に勤務します。
ショコラティエはチョコレートを知り尽くしたプロであり、カカオの風味の活かし方や温度管理、チョコレートのデザイン、カカオ以外の材料との組み合わせまで細かく把握しています。
繊細かつ扱いの難しいチョコレートを知り尽くしているので、来店客の好みやチョコレートを送るシチュエーションに合わせたチョコレート作り、季節限定の商品なども手掛けます。
ショコラティエとして経験を積むと、1粒タイプのトリュフチョコレートから焼き菓子まで幅広い商品に関わります。はじめのうちは見習いのような状況ですが、チョコレートの扱いに長けていくうちに豊富な知識が備わっていきます。
日本国内ではチョコレート専門店の数が少なく、専門店に就職できるショコラティエは限られているため、まずはパティシエとして洋菓子店に入り修行することになります。経験を積みながらさまざまな洋菓子に接し、そのなかでチョコレートの取り扱いについても学んでいきます。
製菓のほかにも、店内の陳列や片付け、オーダーに関する相談や予約の受付を行うこともあり、勤務先によって業務内容が細かく変化します。個人経営の店舗では幅広い接客業務に関わることがありますし、高級ホテルやデパートの中の洋菓子店では、製菓と販売を担当することが多いです。
海外に出て修行し、そのままショコラティエとして働くことも可能ですが、国内外に関わらずはじめのうちは経験を積むことを第一に年数を重ねていきます。アルバイトで入っても経験を積むことが可能なので、チョコレートの魅力や可能性を自分の手で広げていきたい人に向いている職業といえるでしょう。
必要なスキル
ショコラティエになるためには、チョコレートやスイーツが好きであることが必須となります。また甘味について繊細な味覚を持っている人なら、自身で製菓を手掛けたときに個性的な商品が生み出せるでしょう。
店頭では接客を任されることも多いので、職人としてだけではなく、人と接することが好きな人も採用されやすい傾向にあります。食品を扱う仕事のため清潔感が基本であり、接客中は自然な笑顔でお客様を迎え入れられるスキルも求められます。
店舗によってはお菓子作りの最中に接客やオーダーを受けるため、マルチタスクで複数の作業がこなせると良いでしょう。また、職人としてステップアップしていくと売上を伸ばすための商品開発やデザインセンスも必要になります。
ショコラティエはほとんどの場合未経験から修行を積みますから、店内やバックヤードで先輩や同僚の動きをよく読み、作業を邪魔しない効率性が必要になります。指示を聞いて的確にこなせる対応力や、仕事仲間とうまくコミュニケーションをとっていく能力があれば重宝されます。
接客についても、お客様の要望や希望を理解し、最適な商品を選び出せる能力が必要となります。愛想が悪かったり対応が遅ければ店の売上にも影響が出てしまうので、相手の希望に沿いつつ商品を提供できるスキルがあると良いでしょう。
ほとんどのショコラティエが未経験からスタートするため、特別な資格は必要ありません。まず専門学校や海外の製菓学校に入り、そこで資格やスキルを取得します。店舗に入り修行しながら製菓の知識をつけていきますが、海外の場合は語学力やコミュニケーションスキルが必須となります。
活かせる経験
スイーツの食べ歩きやお菓子作りの経験など、チョコレートを含むスイーツ全般の経験を活かすことができます。
ショコラティエはチョコレートを扱う仕事なので、いろいろな店舗を巡ってチョコレートの味比べをしたり、季節ごとの食材をチョコレートに取り入れたりといった工夫を行います。プライベートでもこのような行動ができる人は、即戦力として現場でスキルを活かすことができるでしょう。
製菓の経験がある場合には、温度管理やお菓子全体のデザイニングまでを含めたプロデュース能力があると重宝されます。チョコレートは見る人によっては「どれも同じもの」に見えてしまうため、一つひとつの製品を差別化し、お気に入りの製品を見つけてもらうために工夫しなければなりません。
接客の経験がある場合には、お客様の希望や味の好みを把握し、その時々で適切な商品を選び取るスキルが備わっているので、現場に活かすことができます。ショコラティエは職人としてほとんど言葉を発することなくお菓子作りに取り組むイメージがありますが、実際の現場ではチームで動いたり接客をメインに行ったりするため、報・連・相と相手の意向を汲むコミュニケーションスキルがなくてはなりません。
パティシエと同様に、ショコラティエは立ち仕事のため体力も必要です。材料の運び入れや作ったお菓子の運び出し、陳列も任されるため、責任をもって商品管理ができる人、またその経験がある人が求められています。
身に付くこと、キャリアステップ
ショコラティエは職人であると同時に接客業でもあります。製菓の段階では集中力が身につき、その後の接客ではお客様の求めに迅速に応じられる対応力が身につきます。また、修行中は先輩から言われたことを素早く行動に移す能力が磨かれ、「見て学ぶ」「聞いて覚える」といった観察力も伸ばすことができるでしょう。
キャリアアップをしていくうちに製菓に必要な知識や能力が身についていき、見た目の美しさにもこだわれるようになります。チョコレート本体に施す色や模様はもちろん、ラッピングや陳列など商品を魅力的に販売するためのノウハウも身につけられます。
こうして能力を身につけ、一連の業務の流れを覚えていくと一人で業務がこなせるようになり、コミュニケーション力や店舗運営などを覚えて独立開業を目指したり、高級店や名のあるお店に勤務したりと、自分らしいキャリアパスが描けるようになっていきます。
平均給与
全ての年代をまとめてみると、平均給与は約20万円となっています。シフト制や深夜勤務などがあるため、時給も少し高めの設定です。平均は20万円ですが、働き方によっては40万円以上を稼いでいる人もいます。アルバイトとして始めやすい職業のため、10代後半から60代までと幅広い年齢の人が働いているのが特徴です。
年齢別の平均年収は以下のようになっています。
- 20代前半:204万円
- 20代後半:238万円
- 30代:309万円
- 40代以上:448万円
20代から30代にかけては製菓の知識やノウハウを学ぶため、即戦力となれるのはそれ以降の年齢になるケースが多いです。経験を積むにつれて店舗運営を任されたり、重要な商品開発を手掛けるようになるため、年収もアップしていきます。
参考サイト
- Career Garden:ショコラティエの仕事
- 食バンク:ショコラティエの仕事
未経験の採用
ほとんどのショコラティエが未経験から入るため、製菓の経験が少なくても安心です。ただし製菓専門学校の卒業を最低条件とするケースが多くみられます。
菓子店に入った直後は先輩の動きや業務を見て覚え、店舗での働き方を身に覚え込ませていく段階です。一つずつ作業手順を覚えていけば、スムーズに仕事がこなせるようになります。
当仕事経験者からの口コミ
- 甘いもの好きには嬉しいやりがいの大きな仕事/40代男性
男性ですが甘いものが大好きで、身近なチョコレートの魅力にとりつかれ、ショコラティエになろうと決めました。日本も含め、アジアではショコラティエという仕事はあまりメジャーではないので、パティシエとしてのキャリアからスタート。毎日の温度や湿度管理を徹底しながら、デリケートなチョコレート素材を扱うときには、集中力と繊細さが試されます。希望通りのチョコレートに仕上がったときの嬉しさは格別です。 - チョコレート以外のお菓子作りも学べる/30代女性
菓子店に勤務しながら、パティシエ兼ショコラティエとして働いています。最初は見よう見まねの状態から始まりましたが、お菓子作りが大好きなので自宅でもいろいろなものを作って楽しみながら、腕を上げていきました。チョコレートは敏感な素材なので取り扱いが難しいのですが、そのぶん作り甲斐があって面白いですよ。