飲食店は「ブラック」が多い?

その労働環境からブラックと言われることもある飲食業界。なぜブラックと言われることが多いのか、そして入社を検討するときにブラックかどうかを見極める方法をご紹介します。

近年、企業に対して「ブラック」という表現を使うことが多くなってきました。過酷な労働環境だったり、働きに見合った給料が支給されない、パワハラが横行しているなど、その職場によって状況は異なりますが、このような環境では離職を考えてしまうのも無理はありません。

中でも飲食店はその忙しさからブラックと表現されることが多くあります。この記事では、なぜ飲食業界にはブラックというイメージが蔓延しているのかを考えてみることにしましょう。

どうして「飲食業界はブラック」と言われてしまうのか

「飲食店はブラック企業」と言う声を聞いたことがありませんか?一般的にその労働環境から、飲食業界はブラックであると言われるケースが多いことも事実。では、なぜブラックというイメージがあるのでしょうか。

労働時間がとにかく長い

飲食業界の特徴として、とにかく労働時間が長いことが挙げられます。9時に出社して17時に退社する、というような生活にはならず、昼間から深夜まで働くこともしばしば。

例えばランチタイムからディナータイムまでの勤務の労働時間が毎日15時間を超えたり、夕方オープンの居酒屋で閉店が遅い時など、その店舗の営業時間に応じて長時間労働になりやすいのが飲食店の特徴と言えるでしょう。

また、近年では消費者のニーズに応える形で24時間営業となっているチェーン店も多いため、その中で働く人は必然的に長い時間の労働を強いられることになります。

休日が少ない、休みが取りにくい

「休みが少ない」というのも飲食店の特徴。休みが週1回しかないというケースもよくある話のようです。また、世の中が休みとなっている時期は飲食店にとっては繁忙期。そのため、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などに休みを取ることは難しいでしょう

さらに店長やマネージャーに至っては週1回の休みすら取ることができないという状況に追い込まれている場合もあるようです。

休日出勤が多い

ただでさえ休みが少ないのに、人手が足りないなどの理由により休日出勤をしなければならないケースもあります。せっかく休みだと思っていた日が出勤になり、十分に体を休めることすらできなくなります。当然自分の時間を持つこともできないため、仕事を続けるのが苦痛に感じることも。

給料が少ない、残業代が支給されない

長時間働いているはずなのに、その働きに見合った給料だとは思えないというケースもあるようです。また、「みなし残業」となっている場合にはいくら残業をしても残業代は加算されません。

長時間にわたって拘束されているにも関わらず、その分の給料が十分にもらえていないと感じてしまうことが、ブラックであるというイメージに繋がってしまうようです。

パワハラが横行している

もちろん全ての飲食店というわけではありませんが、飲食業界はパワハラが多いと言われている業界です。それは、昔ながらの体質そのままの飲食店が多いため。修行時代は非常に厳しく指導されたため、自分が指導する立場になった時に同じように厳しく指導したら行きすぎたものになってしまうという話もよく耳にします。

パワハラは線引きが難しい問題ではありますが、受けた側が苦痛を感じてしまった場合はパワハラということになる可能性が高くなります。

パワハラが横行している

もちろん全ての飲食店というわけではありませんが、飲食業界はパワハラが多いと言われている業界です。それは、昔ながらの体質そのままの飲食店が多いため。修行時代は非常に厳しく指導されたため、自分が指導する立場になった時に同じように厳しく指導したら行きすぎたものになってしまうという話もよく耳にします。

飲食店がブラックになってしまう理由とは

では、どうして飲食店がブラックになってしまうのでしょうか。その理由は下記のようなものであると考えられます。

営業時間外の業務が多い

飲食店に務める従業員にとっての業務時間は、決して店を開けている時間だけではありません。開店前の準備や閉店後の後片付け、翌日の仕込み作業など、開店時間以外の業務も多いことが特徴です。

どうしても「勤務時間=お店の開店時間」というイメージを持ってしまいますが、実はそれ以上に拘束時間が長く、やらなければならないことが多く存在しています。そのために勤務時間が非常に長くなってしまう傾向があり、ブラックであると言われるのです。

客の入り具合によって忙しさが左右される

飲食店の忙しさは常に一定のものではなく、お客さまの入り具合によって大きく左右されます。もちろん予約件数などである程度の予測はできると考えられますが、そのほかにも飛び込みのお客さまがいることも事実。

お客さまが多ければそれだけお店の売り上げも増えますが、従業員の忙しさもアップ。必然的に残業が多くなり、勤務時間もどんどん長くなっていくことになります。十分に人手が足りていれば問題ありませんが、次の項目であげているように人手不足の飲食店では、過酷な勤務を強いられることになってしまいます。

慢性的な人手不足

飲食業界の特徴として、「慢性的に人手が不足している」ということが挙げられます。人手不足であることにより休日が少なくなり、勤務時間も長くなるなど、ブラックと言われるさまざま要因に関わってきます。

また、飲食店はアルバイトやパートの従業員がが多く、安定した人材の確保が非常に難しいという性質もあり、人手不足は社員や店長によってカバーしなければならないというケースも。中には1ヶ月に80時間を超える「過労死ライン」と呼ばれるほどの勤務を行っていたという例もあります。

ブラック企業の見分け方

どのようにしたら転職しようとしている先がブラックではない企業なのか見分けることができるのでしょうか。そのコツをご紹介します。

それほど大きな店でもないのに常に求人をかけている

転職活動を始めた場合、情報誌やインターネットなどで求人情報を集めるところからスタートしますよね。その時、お店や企業についてよく調べずに即決するのはあまりおすすめできません。

何週間か継続して求人情報を見ていくうちに「ここはいつも求人情報を出しているな」といった傾向が見えてくるはず。それほど大きなお店というわけでもないのに、いつも求人を行っているところは、離職率が高いのかもしれません。離職率が高いのにはそれ相応の理由があると考えられ、ブラックであるという可能性もあります。そういったお店の募集は避けたほうが無難であると考えられます。

就業時間について明確な記載をしているかどうか

気になる企業があった場合には、しっかりと情報を見るようにしましょう。給与面や福利厚生などに目が行きがちですが、就業時間についてもしっかりと確認しておくことが大切。しっかりと条件面について明記されていれば問題ありませんが、曖昧な書き方をしている企業には注意が必要です。

「みなし残業」と記載されている場合には、残業代は基本給に含まれているということ。ブラックと言われる飲食店では、みなし残業ということで多く残業させているケースも考えらるので、就業時間に関する記載は細かいところまで確認しておきましょう。

転職サイトに掲載された口コミも確認してみる

求人情報の他に、インターネットの口コミが参考になる場合もあります。お店に対するお客さまからの口コミもお店の雰囲気を知る上では参考になりますが、最近では、転職サイトに実際に勤務していた人による口コミがまとめられていることもあります。

実際に働いていた人の生の声ですから、非常に参考になる情報と言えるでしょう。ここで労働時間が長かったり、職場環境に問題があるような口コミが寄せられていた場合には避けたほうが無難です。

労働環境改善のための企業側の努力

一時期、飲食業界のブラックな側面がニュースなどで報じられてからは、企業側も労働環境の改善に取り組んでいる企業も多くなってきています。

例えば、これまで365日休みなく営業としてきたものを廃止し、全店一斉の休業日を設けたり、営業時間の短縮を行ったりするなどして、従業員の負担を軽減しようという動きがあるようです。このような取り組みを行っている企業に関しては、きちんと従業員のことを考えている、「ブラックではない飲食店である」と判断することができるのではないでしょうか。

転職する際には、ブラックではない企業の見極めを

ここまで、なぜ飲食店はブラックと言われるのか、そしてブラックではない飲食店の見分け方についてご紹介してきました。一度入社した会社がブラックであった場合、次に転職した飲食店もブラックなのでは、と二の足を踏むこともあるでしょう。しかし転職活動を行う場合の「見極め」によって同じ状況を避けられるはず。しっかりと従業員のことを考えて労働環境を整えている飲食店もありますので、転職活動を行う際の「見極め」は非常に大切です。

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