飲食の仕事がつらい時は転職も考えましょう
「美味しい!」とお客さんが喜ぶ顔を見ると幸せ。そんな気持ちでスタートしたのにいつの間にかつらくなってくることが多い飲食業界。
特にシェフ志望なら、一人前になるには修行期間も必要でしょうが、そのつらさ、我慢しなくてはいけないものでしょうか?
「転職は悪いことだ」と決めつけると自分の首を絞めかねません。転職は選択のひとつなのです。
今自分がどんな我慢をしているのか、見直していくためのポイントをまとめました。
転職を考えてしまう場面とは
「飲食業って体力勝負で給料も安いから、入れ替わりが早いんでしょう。」と捉える人が多いでしょうが、実はこんな場面で転職を考えている人もいるのです。
人間関係は良いほうがいい
どこの職場でも同じですが、一番多い理由は人間関係ではないでしょうか。
ともすれば家族よりも長い時間を同じ空間で過ごすので、その関係性がいつの間にか家族と同じ、もしくは家族以上の深さになることもあります。
上司も部下も「言わないでもわかるだろう」といった甘えに近い感覚でいると、やはりトラブルも多くなるというものです。叱責や罵倒など「あなたのために」という大義名分でストレスを発散する上司や同僚もいるかもしれません。
そんなとき、転職という選択は決して悪いことではありません。休むとか一度関係性を見直す努力をしてみて、それでも変わらないのであれば、自分を守るために逃げるのもアリです。
少しでも条件の良い職場へ
今の職場でなかなか休めない、給料が上がらないと不遇な感覚になってしまうと、転職を考えるきっかけになります。
大手チェーン店やホテルなどは、それなりの数のスタッフを確保しているので比較的休みが取りやすく、規定も完備されているメリットがあります。
個人経営のお店だと、休みが取りづらい、昇給のタイミングが不明確などデメリットはあるのですが、いろいろなポジションを経験できるメリットがあります。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、自分が経験を求めているのか待遇を重要視しているのかを確認したうえで、転職を考えると良いでしょう。
自分を成長させたい
人はいつまでも同じことしかできない自分よりも、少しでも何かができる自分になりたいものです。
お店によって使用する器材・食材や、いらっしゃるお客様の層が違います。「今の職場で作れるレシピが増えたけど、もっと高級な食材を扱いたい!」「もっとホスピタリティを満足させるようなサービングをしたい!」など、今の職場に不満がなくても向上心が頭をもたげ、つい転職に意識がいってしまうことがあります。
こんな転職の考え方は悪いどころか逆に良いことです。今の職場に不義理を働いてしまうような感覚があるかもしれませんが、自分が成長する姿を先輩たちに見せることも恩返しのひとつです。自分を抑え込むことなく、次に進む準備をしてください。
転職方法あれこれ
転職したいと思っても、希望のお店は募集していない、求人票ではよくわからないなど、なかなか探しにくいものです。
こんなとき、飲食業界ならではの転職方法をご紹介します。紹介や先輩の引き抜き
知人や先輩がお店を開店するときはチャンスです。日頃からの仕事ぶりを認めてもらっているなら、人間関係も良い状態のままで転職できるでしょう。
デメリットがあるとすれば、知人や先輩は雇い主、自分は雇用される人、と立場が変わることで関係性が変わり、ちょっとしたことで険悪になる可能性があります。しっかりと立ち位置を自覚しておくことが大事です。
また、知人や先輩の経営方針もしっかり確認する必要があります。自分が求める条件なのか、スキルアップできるかなど、転職したことを後悔する羽目にならないように事前の情報収集は必要です。
転職サイトを利用する
忙しいので転職活動するために時間をさけず、いつまでも動けないでいるなら転職サイトの利用がおすすめです。とくに飲食業界以外に転職希望なら求人も多いので便利です。やはり飲食業界への転職を希望するなら、飲食をメインにしている求人サイトもあります。
考えられるデメリットとしては、雇用条件やお店の雰囲気は大体わかるけど、どんなレシピを学べるか、どんなスタッフがいるのかがわかりにくいということ。文字情報だけに頼らず、実際にお店に出向いて食べてみて、味や盛り付けなど、お店のカラーを知ることが大事です。
独立も転職のひとつ
もう雇用されるのはいやだ、自由がいいという人は、独立や副業、フリーランスで働くのも良い案です。
デメリットとしては、経営経験のない人には不向きだということ。特に独立して店舗を構えるなら初期投資は相当なものになり、生半可な考えでスタートすると気づいたら借金ばかり残っていることも考えられます。
しっかりとしたビジョンを持つために、独立に向けた転職をしてみるのもおすすめです。
転職は悪いことではありません
転職についていろいろとまとめてみました。
人が生きるために必要な「食べる」ということに関わるお仕事は、これから先縮小するのではなくむしろ安定的に拡大し続ける業界です。いろいろな選択肢がある業界で、我慢することが美徳といった旧世代の考え方に囚われていると、いつまでたっても変わらないままなのです。
飲食業界からの転職を多く受け入れている「くいもの屋わん」のオーイズミフーズに、転職についても取材しているので確認してみましょう!

